AGONY
The First Defiance (1988)
84年に結成された5人組の1stフルレンス。強引な部分もありますが、エッジを失わずに展開で攻めるスタイルは、このバンドが以前パンクバンドだったという事実が嘘と思えるほど完成しています。ということで複雑なブレイクをタイトにしっかりとプレイしていますし、北欧らしい体育会系のノリもしっかりある内容。低音中心のリフ、METALLICAの3rdにも通じる構成、パワフルなvo&バックvo等、スラッシュの美学を詰め込んだハイクオリティな一枚。
The Madness Never Ends (1990)
1st。転調が多くてダークなスタイルはHEXENHAUSを彷彿とさせますが、ターンオフなポイントがいくつかあってまず長すぎるイントロ。曲の途中でようやくvoが歌いだすのは遅すぎやしないかと。で、そのvoは頑張ってますが素人感丸出しで、ちょっと聴いてて恥ずかしいタイプ。ということで手は勝手にボリュームを下げてたりします。インストナンバーもあるので、voはかなりオマケ感強い+スピードも期待出来ませんが、リフ自体は決して悪くないです。
EARTHQUAKE
Theatricals (1993)
4人組の2nd。voを含めてブラックアルバムの頃のMETALLICAの影響が濃厚。歌うならもっときちんと歌ってほしいし、ファストナンバーもなくてやっぱり中途半端、、、。北欧らしい透明感のあるアコースティックギターは美しいけど、、、。
Futuredoom (1989)
4人組の唯一の音源。voはゲストですが、それもうなづけるほどインストが中心のグループ。といっても変にテクニカルなわけじゃなくて、むしろストレートなサウンド。手数の多いリフもセンスいいですし、長尺の曲も構成がしっかりとしているので一気に聴けます。ちょっとプログレッシヴなトーンも魅力的。
S/T (1991)
1987年に結成された4人組の1st EPで自主制作。AIRDASHっぽいvoをフィーチャーしたグループ。タイトなドラム、テクニカルに弾こうと頑張るギターともに平均以上ですし、北欧らしい透明感もフィーチャーした曲作りも魅力的。ギターが兼任するvoは好き嫌いが別れるタイプだと思いますが、私はフックのあるスタイルが気に入りました。当時Bでは不評でしたが、じゃあ"Injection-Overdoze"の格好よさはなんなの!短いインスト2曲を含んだトータル7曲という作りも正解。
Faith Fails (1992)
1stフルレンス。スタイルは1st EPと同じですが随所でバンドの成長がしっかりと感じられるアルバムで、特にワイルドになったvoが○。EPに入っていた曲も数曲リメイクしてますが、よりへヴィな分インパクトがアップしてます。ちょっと中だるみするけど、ファストナンバー、ミドルともに楽しめます。やはり"Injection-Overdoze"は◎。
Blind Acceptance (1992)
87年に結成された彼らの1stフルレンス。モダンな要素はなくあくまでも往年のスラッシュに忠実なグループ。HCなアグレッションもポイントですし、曲によってはPOSSESSEDっぽい雰囲気もあったりします。ミドルは若干間延びしますが、「Bitch! Die!」の連呼がクールな②を中心にスラッシュナンバーは素直に格好よし。ワイルドな声質のvoも北欧らしい格好よさ。
A Tribute To Insanity (1988)
Mike Wead (Gr)が1987年にストックホルムで結成した5人組の1st。一言でいえばスラッシュですが、かなり様式というかHM寄りのサウンド。voは終始工夫のない絶叫で「この手の音ならどうせならきちんと歌ってほしかった。」と思うのは普通のHMファンで、スラッシュ好きには違和感ないと思います。ギターオリエンテッドとでもいうべきテクニカルで美しいソロ、北欧独特の透明なサウンドが満載!
The Edge Of Eternity (1990)
Mikeを除くメンバーが交代した2nd。、プレイが格段にタイトになってますし、ツインリードもさらにフィーチャー、ということでメンバー交代が成功してます。イントロに"月光"のフレーズをフィーチャーしたり、1stと同じく長尺のナンバーにも取り組んだプログレッシヴかつ意欲的な内容で、彼らの代表作とでもいうべきアルバム。
Awakening (1991)
ベースがConny Welén(元MEZZROW)に、voがThomas Lundinに交代した3rd。展開は以前より複雑になり、プログレッシヴ度もアップしています。プレイもアップしており特に流麗に弾きまくるギターが圧巻。これほどのレべルだと普通のHMファンでもいける内容ですが、伸びのいいハイトーンvoの歌メロが退屈かも。神秘的な雰囲気を含めて他のバンドとの差をつけたハイクオリティな作品。Mike自身によるプロデュースも○。
Dance Tarantella (1990)
1986年にFagerstaで結成された4人組の1stフルレンス。HCの影響が強いバンドで、ドラムはワンバス、voもパンク寄り。でもリフ自体はスラッシュメタルなので、DEATH IN ACTIONとかクロスオーバー好きにオススメ。初期スラッシュにも通じるアグレッションも魅力的。
尚CDはアナログよりも2曲多く収録("Cocaine"のカヴァーもプラス)。
KRIXHJÄLTERS (THE)
Hjälter Skelter (1988)
2ndEP。実はこれはTOXINの「Aphorisms」を頼んだのに、某海外ショップが間違って送ってきたアルバムで、サイトで調べたらスラッシュとのこと。自閉症っぽい歌い方をするvo、やたら軽いドラムはパンクっぽいのはまあいいとして、結局パンク臭が濃厚、、、。リフの刻みが部分的にスラッシーなものの、ほとんど初期パンク。ちなみにWARFAREみたいにサックスとかもフィーチャーしてますが、やっぱりセンス悪い、、、。変なもん送るんじゃない!
The Awakening (1990)
かのDSPからリリースされた1st。北欧らしいメロィックさは完全に排除して、アグレッション、スピードにこだわった理想的なスタイル!evilかつinfernalなvo、フックのあるリフともに最高で、こちらもモッシュを確実に保証します!サウンドは違いますが、ATTOMICAとかSLAUGHTER LORDらと同じ感覚で楽しめる、デスメタル寄りの高品質スラッシュメタル!ダークかつリチュアルな雰囲気も個性的!尚再発盤はボーナスで90年のライヴ4曲をプラス。
MEZZROW
Then Came The Killing (1990)
1988年にNykopingで結成された5人組の1st。こちらもスウェーデンらしい硬派で体育会系なスタイル。しかし聴く分にはいいけどリフがありがちでインパクトに欠けますし、バンドとしての個性も低い。これまたスウェーデンらしいワイルドなvo、透明感のあるメロディを意識したソロ、TESTAMENTっぽいギターのフィルインとかはポイントではあります。尚CDはボーナスとして"Inner Devastation"をプラス。
ベースのConny Welénは1991年にHEXENHAUSに加入。
Presage Of Disaster (1989)
1985年にUppsalaで結成された5人組の1stフルレンス。DEATHROWの3rdを彷彿とさせるテクニカル系ですが、この手にしてはリズムのキレが悪いし、全体的にはどうも煮え切らない。しかしアイディアは豊富ですし、ヘタウマながらもテクニックを意識した熱いソロ、北欧的透明感、手数の多い奇妙なリフは面白い。
ベースのPatrik Sporrongは後にLOST SOULSに加入。
Crucifix Masturbation (?)
86年にストックホルムで結成された4人組で、ご存知の通りvoはDead、ギターは後にENTOMEDに加入するUffe Cederlund、ドラムはL-G Petrov。デモ「December Moon」 (1987)に、87年のライヴをプラスしたコンピレーション。以外にもこの手にしてはプロダクションはクリアーで、プレイもまとまってます。ただ初期MAYHEMにも通じるダークな雰囲気がこのバンドにもしっかりとあって、これは人脈によるものでしょう。肝心のDeadのvoはsick as fuckな感じで、特に④の「ラララララァーラ」というコーラスは本当に病的。あとこれほどスローな吐捨が様になるのは、彼とCHAKALのKorgくらい。楽曲自体も80'sブラックということで完全にスラッシュメタルだし、素直にいい曲を書いており、バンドとしてのバランス感覚も理想的です。ライヴも○!
Masterpeace (1990)
THE KRIXHJÄLTERSが名前を変えて発表した唯一の作品。ラップやサックスをフィーチャーしてるあたりは、以前の面影(クロスオーヴァー)を残してますが、バンドとしてのセンスは格段にアップしています。特に中期VOIVODを彷彿とさせる無機質なギターリフが素晴らしく、それにあわせてリズム、曲展開も複雑になってます。ラップ、サックス等の入れ方にもセンスを感じますし、歌にもしっかりとメロディがあったりして(ちょっとニューウェイヴっぽい)、繰り返し聴いても飽きません。歌、ストレンジな要素を強調しながらもしっかりとスラッシュしてる点も素晴らしい!正直好き嫌いが別れるサウンドですがバンドとして大変身!
ギターのPelle StromとRasmus Ekmanは後にCOMECONを結成する。
Silence (1991)
元MEZZROWのヴォーカル、Ulf Petterssonを含む5人組の1stフルレンス(結成は89年)。voスタイルのせいでデスメタル扱いしているサイトもありますが、プレイ、リフは完全にスラッシュなのでご安心を。曲によってはスパニッシュギター、サンバのリズムをフィーチャーしたりして、サウンドは違いますがIMPERIUMっぽくもあったりします。キレのいいリフ、アレンジを含めてアィディアが豊富な点も○。なおバンドは後にSLAPDASHに発展。
S/T (?)
1987年に結成された4人組の、「Severe Abomination」EP、デモ「The Sign Of The Pentagram」 (1989)、「Crawling In Vomits」 (1989)に、89年はストックホルムでのライブ、同じく89年のリハをプラスしたコンピ。後にこのバンドはTIAMATに発展しますが、TIAMATはよく知らないので比較出来ません、、、。それはともかく中身は、初期BATHORYよりもrawかつプリミティヴなサウンドで、そう考えると当時の北欧には少なかったタイプ。voを中心に80'sブラック色が濃厚なのも魅力的だし、寒々としたダークな雰囲気もこのバンド独特のものだと思います。時々出てくるメロディアスなフレーズはやっぱり北欧。
Clown Of Thorns (1992)
1986年に結成された4人組の1stフルレンス。当初はPENTAGRAMと名乗りSLAYERやPOSSESSEDっぽいスラッシュメタルでしたが、これは→スラッシュリフもありますが、全体的にはクロスオーヴァー、というかオルタナ色が強いサウンド。曲を含めて全てが中途半端というか、こうなると感覚が違いますね。
コメント