ARAKAIN

Thrash The Trash (1990)

1982年にプラハで結成された5人組の1st。プロダクションを含めてしっかりと初期スラッシュしてますし、ヴォーカルがARTILLERYFlemming Ronsdorfに似ているので、やはり初期ARTILLERYっぽいスラッシュ/スピード。特にタイトルナンバーは正直本家を超えており、歌メロ、手数の多いリフともに最高。チームワークを大切にしたプレイも、基本がしっかりしてますし、ヴォーカルもFlemmingより聴きやすかったりして、実際結構上手いです。でもアルバムとしてはそのタイトルナンバーが強烈な分、他の曲が普通なのが残念な点。

Schizofrenie (1991)

ドラムと片方のギターが交代した2nd。トップのリフがアメリカンなスタイルで、正直コケそうになりましたが、全体的には相変わらずのヨーロピアンサウンドで安心。1stみたいに強烈なナンバーはありませんが、後半のインストを中心に、スピードだけに頼らず、しっかりとした構成で聴かせてくれます(速い曲ももちろん○)。ドラムが変わったことで、アンサンブルがタイトになりましたし、バンドとしての勢いも依然十分+ヴォーカルをしっかりと聴かせるナンバーもあったりします。ソロの展開等、やっぱりARTILLERYに通じる美しさもありますし、1stとは違って総合力で勝負したこの作品も要チェック。


ASSESSOR

Invaze (1990)

1988年にプラハで結成された4人組の唯一の作品。voの声質も含めて2ndの頃のKREATORっぽいタイプ。初期KREATORよりプレイは上手いですし、スタイルも完璧ですが、普通すぎるリフが眠気を誘います。ただタイトル曲なんかは素直に格好いい仕上がり。ドラムの入り方とかアレンジとかは変だけど。


ATOMIC

Nuclear Thrash (1991)

1987年に結成された4人組の1stフルレンス。まさにタイトル買い!ファルセットのvo、リフ、スネアサウンドを含めて実はANVIL BITCHっぽかったりするグループ。まるでラテンパーカッションを思わせるスネアサウンドはともかく、手数の多いリフは気持ちいいですし、どう聴いても80'sなサウンドで安心出来ます。彼らほどハイテンションじゃないけど。


CRUX

Rev Smrti (Scream Of Death) (1993/再発2007)

88年に結成されたトリオの1st。基本はアグレッシヴなスタイルですが、転調が多い+プログレなみにアィディアが豊富なタイプ。90'sのブラックメタル、デスメタルの要素もありますが、基本はオールドスクール+スラッシュなプロダクションなので違和感ないです。荘厳な雰囲気を中心に、しっかりと独自のサウンドを完成+似ているバンドを例えるのが難しいほど個性的なグループ。いいリフ、フレーズも多いですし、プレイに固執はしてませんがテクニカルな趣もあったりします。4曲のボーナスをプラスした11曲入


DEBUSTROL

Vyznani Smrti (2003)

1986年にMlada Boleslavで結成された4人組の88年同名1stデモをアナログ化した11曲入。チェコで一番好きなバンドなので、悪いわけありません!もうこれで終わりたいところですが、中身はSLAYERというよりはSARCOFAGOっぽい五寸釘ファッションのルックス通り、より80'sブラック色の強い仕上がり。正直voとかに青さを感じますが、そんなことはどうでもよくなるほどのハイテンションぶりで、やっぱりいつ聴いてもツボなバンドです。POSSESSEDっぽいフレーズもあったりしますし、初期スラッシュメタル好きはマスト!

Neuropatolog (1991)

1st。初期SLAYERや初期POSSESSEDを彷彿とさせる極上サウンド!プロダクションとかも初期スラッシュメタルそのものですし、アグレッション、スピードも理想的。「チェコスラッシュで何かオススメは?」ときかれたら迷わずこれを薦めます。

Protest-Live (1992)

1stの後にリリースされたライヴ盤で、ドラマーが交代。ドラマーが代わったせいもあって、プレイはタイトになっており、ライヴ盤なのに安定しています。そのドラマーは超テクではありませんが、速いスラッシュビートでもしっかりと叩いていますし、シンプルかつタイトなドラミングは、あのVentor先生を彷彿。トータル24分弱ということで一気に聴けますが、逆に物足りないほど。88年のデモ「Vyznani Smrti」のナンバーもプレイ。

Svet Co Zatoci S Tebou (1992)

ドラムがReisichに交代した2nd。ミドルテンポの曲が増えた分1stより落ち着いてますが、数曲あるスラッシュナンバーがいいアクセントになってます。自分達のオリジナリティを確立しつつありますし、ミドルの曲でも飽きさせない曲作りのセンスは○。母国語のアプローチもやっぱり正解。

Vyhlazeni (1995)

またドラムが交代した4th。そのドラムは「アメリカにもこれほどのドラマーは中々いないだろう。」と思わせる逸材で、特にシンバルワークにセンスを感じます。ただディストーションがかったvoを中心に90'sなサウンドに変身。


KRABATHOR

20 Years Of Madness

05年コンピレーション。88~91年にリリースされたカセット音源「Breath Of Death」「Pocity Detronizace」「Total Destruction」「Brutal Death」「Feelings Of Dethronisation」を収録した33曲入ディスコグラフィー、2CD仕様。この頃はまさにraw as hellなスラッシュサウンドで、そのリハな音像はアングラ、オブスキュアな雰囲気を全編にて発射。ROOTにも通じるチェコ独特のヘヴィな雰囲気もこのバンドにしっかりとありますし、イントロがスローテンポではじまるあたりもこのバンドの特徴。スラッシュパートのリフもセンスよく、すでに大物の片鱗を感じます。 


KRYPTOR

Time 4 Crime (1991)

1987年にプラハで結成された5人組の2nd。微妙にデスメタルの影響を感じますが、WARPATHっぽくもあるリフワークはスラッシュメタル。ドラムはスラッシュビートではハイハットとスネアを交互に叩くのが×ですが、スピードに逃げずミドルでもちゃんと聴かせてくれます。曲のパターンも結構豊富ですし、フックのあるメロディアスなギターソロも○。voの巻き舌も印象的。


ROOT

Zjeveni (1990)

87年に結成された4人組の1stフルレンス。とにかくジャケットがすべてです。もうこれで終わりたいところですが、バンドとしてのインパクトはチェコどころか、ヨーロッパでもベストかも。とにかくBig Bossのディープなvoが強烈ですが、オーソドックスなリフは素直にいいですし、プレイもしっかりとBossを支えています。SEを効果的に使い自分たちの世界を完璧に作り上げている点にも感心しますし、怪しいダークサウンドは、人によってはハマるかも。蛇足ですがBig Bossはデモではドラムをプレイ。

Hell Symphony (1991)

2nd。思っていたよりと言っちゃ彼らに失礼ですが、整合感のあるプレイ、クリアなプロダクションが部分的にDESTRUCTION4thを彷彿。へヴィでダークながらも、アコースティックギターを中心とした美しさもプラスして、1stよりも確実にハイクオリティな内容!が、しかしBig Bossの強烈なvoがスタートした途端、雰囲気がガラっと変わるあたりは、やっぱりこのバンドの真骨頂。SE、アレンジもグッドですし、バラェティに富んだ楽曲も○!ボーナスで3曲のライヴをプラス。 


SAX

Zona Strachu (1991)

1985年にBrnoで結成された4人組の1st。ちょっとPROTECTORっぽいですが、彼らより好きなグループ。手数が多くて、刻みがシャープなギター(ソロはコンパクトで効果的)、スピーディなオカズが○な疾走感抜群なドラムを中心にプレイはタイト。ユルい部分もありますが、アィディア豊富な後半がオススメ。プレイに比べるとvoは普通すぎますし、バンドとしての強烈な個性もありませんが、チェコスラッシュ特有のダークな雰囲気もやっぱり魅力的。手数の多いベース、初期SLAYERを思わせるリフワークも○。

バンドは後にSAX PIJAKと改名。


SKRAMASAX

Dark Powers (1991)

4人組の唯一の作品。ギターを中心に意外とメロディアス/ドラマティックですし、ファルセットを多用するvoもしっかりと歌うスタイル、ということでパワーメタル寄りな内容。スラッシュリフとメロディのバランス感覚もよく、メリハリの効いた作りですし、ギターのフレーズにも耳をひきつけるモノが多いです。欲をいえばもっとファストナンバーが欲しかったですが、スラッシュナンバーの格好よさはかなりのもの。これしかリリースしなかったのが惜しい!と思えるほど、いいセンスを持ったバンドです。ちなみにタイトルは英語ですが、歌詞は母国語。


TERMINATOR

Probability Of Doom (1991)

1988年にBzenecで結成された5人組の1stV/ADeath Metal Session」の頃のような格好いいスラッシュとは違い、とくに前半はちょっとプログレッシヴかつドラマティックな内容。プログレッシヴなアプローチに全然文句はありませんが、実際アグレッション不足で微妙。アイディアはありますし、後半はもっと素直というか、以前のようなスラッシュナンバーも多いのでそれなりに楽しめますが。

Plugged (1994)

ギターのPetr Lagaを除く他のメンバーが交代した2nd。クロスオーヴァー度がさらにアップしてまして、結論からいいますがもうスラッシュじゃありません。新加入のvoは基本は吐捨ですが、曲によっては魅力的な声質を生かして、しっかりと歌っていますし、プレイは完全にロックですが、ライドシンバルの16分のアクセント等、小技を効かしたドラミングも○。躍動感あふれる個性的なフレーズが印象的な、トップのスラッシュインストは◎ですし、ソロのセンスもいい+いい曲も多いので、クロスオーヴァーも好きな人は楽しめると思います。歌詞はチェコのバンドにしては珍しく英語。


TORR

Institut Klinicke Smrti (1991)

1977年に結成されたトリオの2ndvoはデスっぽいですが、このバンドもリフ、プレイはあくまでもスラッシュ。チェコ特有の怪しさが濃厚なサウンドで、ドゥーミーな部分も含めてあのROOTに近いタイプ(あそこまで強烈ではないですが)。時々爆走するあたりもROOTっぽいですが、彼らのほうがもっとスラッシュしてますし、いいリフ書いている+バンドとしての活動が長いこともあって、普遍的な要素もちゃんとあります。ソプラノvoSEの使い方も効果的ですし、チェコのバンドらしく宗教色も濃厚なスタイル。スラッシュビートを交互に叩いてしまうドラミングが減点。

Witchhammer (2007)

結成20周年を記念した2LPコンピレーション。1st LPには87年の1st demoWitchhammer」とボーナストラック、2nd LPには「Witchhammer」デモを93年に再録したものとボーナストラックを収録した2LPVENOMをガッチリ意識したロックンロール・ドライヴイング・スラッシュに、スピードメタルをプラスしたサウンド。コードストロークのリフで攻めるナンバーは最近のABIGAILっぽくもあります。もちろんリフを刻むナンバーもありますし、チェコ独特のダークな雰囲気もバッチリ。中途半端なライトハンドソロ、ディレィをかけてしまうVoにはニンマリしてしまいますし、メタルへの情熱がガンガン伝わってくる仕上がり。93年の再録はほんの少しだけオシャレになりましたが、「アルマゲドン!」を連呼する彼らは、やっぱり地上に出てきてはいけないアングラバンドです!怪しい雰囲気も◎。


TUDOR

Ultra Black Metal (2005)

Pizeで1987年に結成された4人組の2本のデモ「Zombie(1990), Skeletor(1991)をまとめたコンピレーション。タイトルがタイトルなだけに90'sブラックを妄想しますが、中身は80'sブラックがかったスピード/スラッシュメタルで、とくにギターのプレイには普遍的な要素もあったりします。80年代初期同然のプロダクションのせいでチープに聴こえるドラム、バックのプレイを無視したかのような自虐的vo+アレンジセンスの悪さで、好き嫌いが別れるサウンドですが、素直にいい曲を書いてまして、このバンドもスルー出来ません。宗教色の強いダークな雰囲気も、チョコらしいというか独特ですし、どう考えても90'sとは到底思えないグループ。骸骨を持ったメンバーは、当時のバンドよりも酷いルックス+超ベタなタイトルのせいで、買うべきか真剣に悩みましたが。